あの時、わたしはまだ10歳だった。「元気だけが取り柄」が口癖だった母が仕事中に倒れ、そのまま緊急入院したのだ。
 離婚してシングルになった母は、昼と夜の仕事を掛け持ちしていた。いつ寝ているんだろうと子どもながらに不思議に思っていた。やはり無理がたたったのだ。